乾燥した季節を迎えます。
冬は、皮膚も乾燥した状態(ドライスキン)となりやすく、手荒れ、肌荒れ、皮膚のかゆみ等を起こしやすくなります。保湿ケアが大切となります。
健康な皮膚とドライスキン

皮膚の外側の表皮にある角層は、わずか1/50〜1/100ミリの厚さしかありませんが、しっとり潤いを保つ役割をしています。角層は角質細胞からなり、角質細胞には主にアミノ酸からなる天然保湿因子があって、水分を保っています。また、角質細胞同士をつないでいるセラミド等からなる角質細胞間脂質は、水分をため込んでいます。さらに、汗と皮脂からつくられる皮脂膜は、水分の蒸発を防いでくれています。
ドライスキンになると角層がスカスカになり、さまざまな刺激(寒さ・暑さ)、細菌・ウイルス等の体内への侵入を受けやすくなります。
皮膚は身体の鎧(よろい)のような存在なのです。
皮膚の乾燥を防ぐのが「保湿剤」です。
皮膚からの水分喪失を防ぐ保湿剤(皮膚の上にコーティングして、水分の蒸発を防ぐ効果)と皮膚の水分を保つ保湿剤(皮膚が水分を離さないよう、水分保持を助ける効果)に大きく2つに分けることができます。
市販の保湿剤にはさまざまな成分が含まれていて、皮膚に合えば、市販の方が効果的な場合もあるようです。
医療機関でよく使われている保湿剤
目的 |
軟膏名 |
特徴 |
傷ついたジクジク肌、
ガサガサ肌の保護 |
白色ワセリン
(プロペト) |
脂質成分。作用時間が長く、刺激が少ない(ワセリンをさらに精製したものでワセリンより刺激が少ない) |
カサカサ肌の保湿 |
尿素含有軟膏
ウレパール・ケラチナミン・パスタロン |
角質内の水分保持、角質肥暑に使用する。刺激性がある。 |
ヒルドイド |
刺激性が弱く、保湿力が高い |
保湿剤は皮膚が水分を吸収している入浴後やシャワー後、できれば5分以内に塗ると効果的です。また、塗る前に皮膚を水や化粧水で軽く湿らせておくのもよいでしょう。
最後に、皮膚の真皮を支えているのがコラーゲンです。皮膚の張りに関係しています。皮膚を家に例えると、真皮は土台のようなものです。コラーゲンが不足すると、しわの原因になります。コラーゲンはたんぱく質なので、生きる基本であるバランスのよい食事が大切です。 |