<前立腺肥大症とは>
前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱のすぐ下にあり、ちょうどクルミほどの大きさで尿道の周りを取り巻くようにしている器官です。この前立腺が
大きくなって、尿道や膜脱を圧迫する病気が前立腺肥大症です。
前立腺肥大症は年齢と深い関係にあり、40・50代で症状が出始め60歳を過ぎると、半数以上の人が夜間頻尿と放尿力低下を訴え、65歳前後で治療を開始する人が多くなります。そして、80歳までには80%の人が前立腺肥大症になるとみられています。

<症状の進み方>
【第1期 膜跳刺激期】
夜間にトイレに行く回数が多くなる、尿の勢いがない、尿がすぐ出ない、少ししか出ない、時間がかかる(排尿障害)などの症状が出てきます。
【第2期 残尿発生期】
尿をした後もすっきりとせず残っているような感じがする(残尿感)といった症状が出てきます。
【第3期 慢性尿閉期】
昼夜を問わずトイレに行く回数が増えて、一回の排尿に数分かかるようになります。時には尿が全く出なくなってしまうこともあります(尿閉)。
<治療方法>
@多くは最初、お薬を服用します。 |
α1遮断薬: |
前立腺や尿道の筋肉の緊張を和らげ、尿の出にくさなどを改善します。 |
抗男性ホルモン薬: |
前立腺は男性ホルモンの影響を受けて肥大するため、男性ホルモンを抑えて前立腺を小さくします。 |
その他: |
漢方や植物製剤(症状緩和に)
抗コリン薬(頻尿改善に) |
A(お薬の効果がみられない場合や尿閉を繰り返す場合は、手術が検討されます。 |
経尿道的前立腺切除術(TURP): |
電気メスを使っての手術。 |
HoLEP(ホーレップ)・HoLAP(ホーラップ) |
体への負担がより少ないレーザーによる手術。 |
<日常生活の注意点>
@おしっこを我慢しない。
@体を冷やさない。(特に下半身)
B適度な運動をする。
C長時間座り続けない。
D便秘に気をつける。
E水分を十分にとる。(ただし、夜寝る前になったら水分を控えましょう。)
Fアルコールや刺激の強い食品を控える。
*一部の総合感冒剤等に含まれる成分によって、おしっこの出が悪くなることがあるので、薬を飲むときには医師、薬剤師に相談しましょう。
排尿トラブルを感じた時は、老い支度と考えて、早めに医療機関を受診しましょう。
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