帯状疱疹とは
神経に沿って、帯状に赤い発疹と小水疱ができ、強い神経痛様疼痛が起こる病気で、水痘(水ぼうそう)ウィルスによる感染症です。口のまわりに発疹ができる単純疱疹とは異なる病気です。
○原因
一度水痘にかかると、たとえ治っても水痘ウィルスが神経節中に潜伏している状態が続きます。そのウィルスが、過労やストレス、老齢、抗がん剤治療、日光等の刺激により免疫力が低下したときに、再度活性化され、帯状疱疹を発病します。60歳代を中心に50〜70歳代に多くみられますが、過労やストレスが引き金で若い人に発症することもあります。高齢者の場合、治っても、ウィルスによる神経の破壊が進み、後遺症として「帯状疱疹後神経痛」に悩まされることがあります。
○症状
時に熱が出たり、リンパ腺が腫れたりします。片側の胸部や、ひたいの部分に症状が多く現れます。前兆としてだいたい1週間くらい前から違和感やぴりぴりした痛みを感じることがあります。具体的には、
1.「痛み」
身に覚えのない痛みが出てきます。痛みのある部分のまわりを触ると、ザワザワした感じがします。さらに、たまにズキーンとした感覚が体の中を突き抜けていきます。
2.「こりやだるさ」 腕や肩などに症状が現れたときは、全身にものすごいだるさがあったり、肩こりもひどくなります。普段から肩こり持ちの人はいつもより、こっていると思い、なかなか気づかないこともあるかもしれません。
3.「風邪症状」 初期段階では皮膚の痛みに加え、風邪のような症状がでることがあります。
○治療
抗ウィルス薬が有効で、内服薬(バラシクロビル)、外用薬(アラセナA軟膏)、点滴注射(アシクロビル)などがあります。抗ウィルス薬以外には、痛みに対して、非ステロイド抗炎症薬、ワクシニアウィルス接種家兎皮膚抽出液(ノイロトロピン)、抗うつ薬、漢方薬、塩酸メキシレチンなどがあります。
一般的には、皮膚に異常が現れてから72時間以内に「抗ウィルス薬」を使えば、水疱の出現や痛みを早いうちに和らげることができると言われています。
この他、痛みが相当強いときは、「神経ブロック」を行うこともあります。皮膚症状が強いときは皮膚科を受診するのがいいでしょう。また、最近では「帯状疱疹後神経痛」にプレガバリンと言う治療薬が使用されるようになり、効果は出ているようです。ただし、この薬にはめまいや眠気の副作用が多いので注意が必要です。
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