口の中には300〜500種類の細菌が存在していて、歯や歯ぐきにできる歯垢1mgには10億個もの細菌が住みついているといいます。歯磨きが十分でないと、歯肉の炎症をひきおこし、徐々に歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてきます。支えられなくなった歯がやがて抜けてしまうというのが歯周病です。 歯周病がこわいのは、歯周病菌が腫れた歯肉から血管に入り込んで、さまざまな病気に悪影響をおよぼしてしまうことです。
◆血管に入り込んだ歯周病菌は、動脈硬化をひきおこす物質を刺激し、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞などのリスクを高めると考えられています。
◆歯周病菌は、細菌として死滅しても毒素を血液の中に残します。この毒素が血糖値を下げるインシュリンの働きを弱めてしまい、糖尿病に悪影響をおよぼします。
◆飲み込んだ食べ物や異物が誤って気管や肺にはいってしまうことでおこる誤嚥性肺炎。咳をして異物が入らないようにする機能が衰えてくる高齢者に多いのですが、原因菌の多くは口の中の歯周病菌といわれています。
◆関節炎や腎炎の感染の原因となる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌の多くは、口内の歯周病菌に多く存在します。
−予防には「歯もみ」− 歯ブラシで歯や歯肉をもむようにマッサージする
- 歯磨き剤は使わず、一日に一回は20分以上。テレビを見ながら、湯船につかりながらなど「ながら磨き」がお勧め
- やわらかめの歯ブラシの先を歯と歯の間にいれて、もむようにふるわせる。
ほとんどゴシゴシという音がないくらい、ふるわせる。
- 出てくる唾液はのみこんでいい。唾液には、消化、消毒、抗菌作用があるのでのみこんでも大丈夫です。
歯周病は治療や予防ができます。
年に1〜2回は歯科で健診をうけることはもちろん、毎日の歯磨きを見直しましょう。
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