<かくれ糖尿病とは>
現在、日本では、糖尿病患者とその予備群を合わせると約2050万人いるといわれています。予備軍には、「かくれ糖尿病」も入ります。空腹時血糖値が正常であっても、食後の血糖値が高い場合です。「食後高血糖」は、糖尿病を発病する前の段階や発病して間もない時期にみられ、一般的な健診では見逃されやすいため、「かくれ糖尿病」と言われます。
食事をすると、糖分が吸収され血糖値は上がりますが、それに反応してインスリンが分泌され、2〜3時間後には血糖値は食事の前の値に戻ります。(正常値110mg/dl未満)。しかし、インスリンの分泌が足りなかったり、分泌するタイミングが遅い人では食後の血糖値がすぐに下がらず、高い値(140mg/dl以上)になります。やがて時間がたつと、血糖値は下がってきますので、空腹時血糖値を測定すると正常とされてしまいます。食後高血糖を放置していると糖尿病になりやすいと言われています。
<食後高血糖かどうかを知る>
血糖値が正常あるいは少し高め程度で、HbA1c(エイチビーエイワンシー)が高めの人は食後高血糖の可能性もあります。食後高血糖かどうか確実に知る方法は、病院でブドウ糖負荷試験を受けることです。75gのブドウ糖を飲んでから2時間後の血糖値を調べるものです。また、家で簡単にできるものとして、尿糖試験紙で食後尿糖を測ることで調べることができます。食後高血糖を防ぐ基本は食事と運動です。
<血糖値の急上昇を防ぐ食事のコツ>
1.ゆっくり食べる
2.食物繊維、特に”水溶性食物繊維”を食事の最初にしっかり食べる。
”水溶性食物繊維”は水に溶けると粘性をもったゼリー状となり、糖質を包み込んでゆっくりと胃や腸を移動します。”水溶性食物繊維”を多く含むものとして、海藻、こんにゃく、緑黄色野菜、納豆、ネバネバした野菜などがあります。
3.Gl(グリセミック・インデックス)値の低い食品を選ぶ。
Gl値とは、食後血糖値の上昇度を示す指標のことです。食品に含まれる糖質の吸収度合を示し、摂取2時間までに血液中に入る糖質の量を計ったものです。高いGl値の高いものは、油(えごま油やオリーブ油など質の高いもの)や酢などで料理して食べるとゆっくりと消化、吸収されます。
低Gl食品−
玄米、全粒粉パン、そば、はるさめ、スパゲッティ、大豆、葉野菜、など
高Gl食品−
糖類、精白米、食パン、うどん、もち、ビーフン、そうめん、じゃがいもなど
糖尿病の食事というと、カロリーを抑えることで厳しいと考えがちですが、糖質と上手につきあい、楽しい血糖コントロールを行いましょう。
お薬を後発品(ジェネリック)に変更したい方は、薬剤師に遠慮なくご相談ください。
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