「(この前処方がでたばかりなのに)もう使ってなくなった。」「点眼瓶の中に浮遊物があり、つまって液がでない。」「まぶたが黒ずんだり、まつ毛が濃くなってきた。」「1回に何滴も点眼し、あふれた液で目尻や周りの皮膚が荒れてしまった。」など、目薬の使い方に関し日常的に気になることがあります。上手な点眼のしかたを考えてみましょう。
点眼の手順
1.手洗いをして、清潔に。清潔な場所で。
⇒畑や田んぼや道路など戸外での作業中やほこりの多い場所での点眼は注意。
2.座って、または、横になって、顔は上向きにする。
⇒点眼液が頬をつたって落ちないように十分上を向く。
3.下眼瞼(下まぶた)を引き、点眼瓶の先が、涙やまつ毛や皮膚にふれないようにして点眼する。
⇒瓶を眼につけて点眼すると、力を抜くときに涙を瓶の中に引き込んでしまうことがあります。瓶の中が細菌などで汚染されてしまうので十分注意しましょう。1回1滴で十分です。滴数をふやしても、眼から溢れてしまいます。
4.まばたきをせずに、1〜5分、涙嚢部(眼がしら部分)を抑えながら眼を閉じておく。
⇒点眼液はまばたきをすると涙液と混ざりあい、一部は眼の外にでてしまい、一部は涙点から涙小管、涙嚢、鼻涙管を通って鼻腔に出て咽頭部へと流れていきます。(味を感じるのはこのためです。)鼻腔への流れをせき止め、眼内に十分吸収させるため、これを実行しましょう。
5. 溢れた液はふきとる。
眼瞼の皮膚は、他の皮膚と比べて薄いため、過敏症をおこしやすいので、やさしくふきとりましょう。緑内障治療のプロスタグランジン関連の目薬は入浴前に点眼し、お風呂で洗顔時、眼の周りもよく洗うようにすると、色素沈着を防げるようです。
豆知識
●点眼液は1本何滴ですか
点眼液の容量は、通常5ml。1mlは20滴に相当すると考えられるので、1滴は約50μl(0.05ml)。5mlの点眼液は約100滴分です。正確に1回1滴1日4回両眼にさす場合、1本で約12日分の量です。
●眼軟膏は1回にどのくらい使えばいいですか
チューブから眼軟膏を押し出すときの長さは1回分1cmで約45mg。点眼液1滴(50μl)重量は50mgであり、点眼液と眼軟膏とも1回量はほぼ同じになります。