寝つけずに床のなかで悶々とするのはつらいものです。そして、夜中に何度も目がさめて起きる、朝早く目がさめてしまう、など様々な悩みがきかれます。睡眠薬を常用する方も多くみられます。
ところで、睡眠時間が短くなったり、眠りが浅くなったりするのは、そもそも加齢による自然な変化です。しかし、実際は6時間くらい眠っていて心配はないのに、8時間は眠らないと体に良くないと思い込んでいる人が多く、このことが不眠の悩みをふやしているともいえます。日中の生活に眠気がなく、元気にすごせていれば問題はありません。
◇睡眠薬の服用で心配なこと◇
薬の持ち越し効果により朝起きたあともぼーっとしていたり、夜中にトイレなどに起きてふらついたりした時に、転倒の危険があることです。夜中起きた時の記憶がぬけたりすることもあります。
また、薬への依存症、習慣性が問題です。比較的安全といわれるタイプの薬でも、短期間の使用で依存や耐性が出現することで長期化をまねいたりする場合や、さらに増量したり、種類を増やしたりすることで、新たな症状に悩まされる場合もあります。
睡眠薬の飲みすぎをふせぎ、適切に服用する必要から、1回の処方が30日分までに制限されている薬が増えています。
◇生活習慣を見直そう◇
日中にからだを動かし、趣味を楽しみ、友達と集まっておしゃべりする、など活気ある生活は睡眠の質を改善します。
昼寝の時間は午後3時ごろまでに30分以内をめやすにするのがよく、長時間の昼寝は、夜の睡眠を妨げます。短時間にしましょう。
布団に入る時間を遅らせてみることもいいようです。布団に入って眠ろう眠ろうとすると脳の覚醒を促し、眠れなくなる悪循環におちいってしまいます。居間などで静かに過ごし、眠くてしかたがないという状態になったら、布団にはいってみましょう。
◇最後に◇
不眠の背景に、うつ病、認知症、睡眠時無呼吸症候群、などの病気が隠れていることもあります。はやめにかかりつけの医療機関に相談しましょう。