高温多湿の環境にいて、体温が上昇すると、体は汗を出して体温を下げようとします。この時、水分や塩分をが補給されないと体温調節機能がうまく働かず、熱が体にこもった状態になり、熱中症をひきおこします。
熱中症の症状と対処法
重症度 |
症状 |
対処法 |
1 |
めまい、立ちくらみ、こむら返り、大量の汗 |
涼しい場所へ、安静、水分補給 |
2 |
頭痛、吐気、嘔吐、倦怠感、虚脱惑 |
涼しい場所へ、体を冷やす、水分と塩分補給、自力で水分がのめない時や症状が改善しないときは医療機関へ。 |
3 |
意識障害、けいれん、運動障害 |
症状が改善しないときは医療機関へ。
涼しい場所へ、安静にし、ためらわずに救急車を呼ぶ |
水分の補給について
〇熱中症の症状が出た時は、一度に 大量の水だけを飲むと、かえって電解質バランスをくずして体調不良になることもあります。水分と塩分も同時に補えるスポーツドリンクや経口補水液、または水や麦茶に、塩や梅干しをたして塩分を補給しましょう。カフェインの入った飲み物は、利尿作用が強くなるので避けましょう。
〇日常、汗をかいていないから、のどが渇いていないから、 大丈夫とおもいがちですが、いつもより尿の色が濃い、量が少ない、おしっこの回数が減っているなどの状況になったら、 水分不足がおこっています。熱中症は当日の水分・塩分不足だけでなく、数日前からの不足が影響します。日頃から、こまめな水分補給を心がけましょう。ただし、病気の関係で水分制限の指示がある場合は、医師の指示どおりにしましょう。
暑さ対策上の注意
〇最高気温が25度を超えると、熱中症患者が増え始め、30度を超えると死亡患者が増え始めるといわれています。「クーラーは好きじゃない、体に悪い」「節約のためつけない」という人でも、日中の気温の高い時間はつけて、あとは窓をあけたり、扇風機をまわしたりして、室温は28度以下にしましょう。除湿にも気を配りましょう。
〇街の中では、強い直射日光や、コンクリートの壁やアスファルトの地面からの副射熱が熱中症の危険をたかめます。おとなに比べて背が低いこどもやペットは、地面からの照り返しで高温にさらされているので注意が必要です。
〇高温多湿になりやすく厳しい環境の農業、建築業、警備業、運送業などでは、仕事中に発症し死傷者も多くみられます。職場では、「作業時間を徐々に延ばして体を熱に慣れさせる」「こまめに休憩時間をとる」 「手に届く近くに水分をおいておく」などの工夫をしましょう。
毎日の健康状態をチェック
〇体調不良の時ふだん以上に熱中症に注意。発熱、下痢、嘔吐の時は体内から水分塩分が失われやすい状態です。
〇睡眠不足脳の働きをにぶらせ、体温コントロールもむずかしくなってきます。
〇大量の飲酒翌朝はふだんより脱水状態になっているため、十分な注意が必要です。
〇朝食抜き食事からの水分や塩分を取り入れられず、体温を下げる効果のある汁も出にくくなります。食欲が落ちやすい夏ですが、意識して朝食を摂りましょう。
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