お薬の「多剤併用」による副作用や相互作用による有害事象が問題になっています。複数の疾患を同時にかかえる場合、どうしても薬の数が増える傾向になります。高齢者の薬の影響による転倒のリスクは、お薬を5〜6剤以上服用している場合に高まるという調査結果もあります。お薬を安全に使用するために以下のことに注意しましょう。
@薬が多いからといって自己判断で薬の使用をやめないようにしましょう。
医師は、薬をやめていることを知らずに、症状が改善していないととらえた場合、薬の量を増やしたり、種類をふやしたりすることもあります。疑問や気になることは、率直に医師に伝えましょう。
A飲み残した薬は、薬局にご相談ください。
患者さんの飲み忘れない工夫をしたり、飲む回数の見直しなどを医師と相談し、よりよい飲み方を提案します。
Bかかりつけの医療機関のほかに受診している場合は、そのことを話しましょう。
複数の科を受診していると、たとえば、整形外科と内科から痛みどめの薬がでていたり、耳鼻科と内科から抗アレルギー剤がでていたり、重複投与がおこることがあります。
Cお薬手帳の持参を習慣づけましょう。
お薬手帳は一人一冊にすることが重要です。薬局では、お薬手帳の記録に目をとおして、チェックをします。気になる処方に気づいたら、処方医に問い合わせて対処します。また、市販薬・サプリメント・健康食品の使用も記録しておきましょう。
D病気につながる生活習慣の見直しをしていきましょう。
病気の正しい知識を持ち、食生活を見直したり、適度に体を動かすことで、生活リズムを改善し、薬を減量できるといいですね。健康教室や患者会に参加し、仲間同士で学び交流することも楽しく励みになります。
薬剤師は、患者さんの言いたいことを良く聞き医師に伝え、医師の処方意図をわかりやすく患者さんに伝える橋渡し役をしようと心がけています。ご遠慮なくお気軽に、薬局をご活用ください。
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