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・動脈硬化とは |
血液は、私たちの身体にある細胞が、正常に働く為に必要な酸素や栄養を運んだり、いらなくなった老廃物を取り除いたりするという、非常に大切な役目を担っており、その 「 通り道 」 が血管です。特に、動脈は心臓から送り出される血液(動脈血)を全身の臓器や組織に供給している大事な血管です。この動脈の壁は三層の平滑筋細胞で丈夫に出来ていますが、ひとたびコレステロールなどによるドロドロになった血液が沈着し浸潤してくると、動脈は硬く、もろくなり、内腔も狭くなって血液の流れが悪くなってしまいます。この状態を動脈硬化症といい、生活習慣病の発症の原因となっています。 |
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・合併症について |
動脈硬化の起こった場所、程度などによって、いろいろな病気が発生する場合もあります。特に、日本人の死亡原因の第2、3位を占める心疾患 ( 狭心症、心筋梗塞など ) と脳血管疾患 ( 脳梗塞、一過性脳虚血発作など ) のほとんどは、動脈硬化が基盤となって起こった合併症です。 |
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・危険因子について |
動脈硬化の進行を早める危険因子は264個もあると言われており、主なものに高脂血症、高血圧症、糖尿病、肥満、運動不足、喫煙、ストレスなどがあります。これらの危険因子を持っている人、さらにその因子を長く持ち続けている人など、心疾患、脳血管疾患などの合併症を起こしやすくなります。そもそも、コレステロール自体は身体に不可欠なもので、細胞を形作り、胆汁やステロイドホルモン等の材料でもあります。しかし、過剰にとりすぎることで、「最大の危険因子」といわれている高コレステロール血症になってしまいます。近年、食生活の変化から、日本人の血清コレステロール値は、米国人を超えようとしています。血清コレステロール値が高いほど危険率が高くなることが報告されています。 |
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・治療について |
治療の基本は、食事療法、運動療法です。特に予防がその目的であり、達成のためには、コレステロール摂取制限、体重減量、アルコール摂取制限、減塩、禁煙、運動が必要となります。それでも十分な効果が見受けられない場合、薬物療法を行います。
薬物療法は、主に、血清コレステロール値を下げる薬 ( HMG-CoA 還元酸素阻害剤等 ) を服用することで、危険因子を減らし予防していくようにします。 |
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