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バランスのよい栄養・食生活が健康によいことはわかっていても、実際はなかなかむずかしい、とおっしゃる方も多いようです。食生活が適切におこなわれていると、がんによる死亡は35%も減少するといわれています。病気を防ぐための大切な食生活の注意点をいくつかまとめてみました。 |
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食塩摂取は血圧上昇に影響をあたえ、高血圧の頻度を高めるとわかっています。食塩摂取は1日6g未満とすることが目標とされています。日本人の摂取量は現在1日10〜13gなのでまだまだ減塩の目標値には遠いようです。
一方、野菜や果実に多く含まれているカリウムは、血圧を下げる作用があり、食塩を多く取っている人での降圧により効果的です。
しかし、高血圧にどれくらいのカリウムが有効か、その摂取量の設定はまだむずかしいようです。また、高血圧で重い腎臓病を持つ方には、高カリウム血症をおこす心配があるので、野菜・果物は制限が必要です。さらに、果物には糖分も多く含まれているので、糖尿病合併の方も制限が必要です。 |
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飲酒は高血圧の危険因子です。1日30cc以下の適度な少量飲酒は、血圧に影響はあたえませんが、男性は大量飲酒者ほど血圧が高く、毎日飲酒する人は、飲まない人と比べて10歳の加齢相当の血圧であるということです。アルコール摂取は、男性で1日20〜30cc、女性で1日10〜20ccまでが適量です。 |
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コレステロール値が高いほど、動脈硬化をおこしやすいことは知られています。高いコレステロールは食事療法だけでも5〜15%低下させることが可能なので、薬物療法をはじめる前に食習慣の見直しをしていく期間が必要です。
脂肪は、動物性脂肪 ( 飽和脂肪酸が多い ) と植物性脂肪 ( 不飽和脂肪酸が多い ) にわけられます。飽和脂肪酸の摂取が少ないと脳出血の危険性が高まるとされており、肉を適度に取ることも必要です。不飽和脂肪酸のα-リノレン酸 ( 食用油に多い ) 、エイコサペンタエン酸 ( EPA )、ドコサヘキサエン酸 ( DHA ) は生活習慣病を予防するとされています。不飽和脂肪酸の必要摂取量を魚で換算すると、1日さんま1/2匹またはさば1切れに相当します。 |
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野菜摂取量の多い人々では、がんや心臓病の発症率や死亡率が低くなることがはっきりしています。野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維など多様な成分がふくまれていますが、個別の成分が有効というのではなく、複合して効果を顕していると考えるのが適切のようです。野菜は1日350〜400gが推奨量です。1日3回の食事に2皿ずつの野菜料理を目安とするのがよいようです。旬の野菜を中心に豊富に取りましょう。 |
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