「カゼがなかなか治らない…」そんな時肺炎にかかっていたということがあります。力ゼは細菌やウイルスなどの病原微生物に感染し、鼻や喉に炎症を起こす病気です。それに対して肺炎は肺にまで炎症が広がった状態を言います。
★症状
主な症状は咳・発熱・胸痛・喀痰・呼吸困難などで、数日間続きます。高齢者は、[食欲がない」「元気がない」などの症状のみが前面にでる場合もあるので、注意が必要です。
日常生活で起こる肺炎は病原菌によって2つに大別されます。
細菌によって起こる肺炎 |
細菌以外の病原微生物
などによって起こる肺炎 |
肺炎球菌・インフルエンザ菌・嫌気性菌・黄色ブドウ球菌 |
マイコプラズマ・クラミジア・レジオネラ・抗酸菌など |
最も多い肺炎の原因は「肺炎球菌」によるものです。カゼやインフルエンザにかかり、病原体の体内への侵入を防ぐ「免疫」の働きが低下している人や、高齢者など体力が衰えた人に多くみられます。
また注目したいのが、最近特に若い人に急増しており、高齢者にも増えつつあ「マイコプラズマ肺炎」です。マイコプラズマは細菌とウイルスの中間くらいの大きさで、細菌とは異なり細胞壁がなく、ウイルスと異なり自己増殖も可能です。飛沫感染や接触感染で感染し、潜伏期間2〜3週間ぐらいで、集団感染する例が多くなっています。予防のために、日常生活の中で、手洗いやうがいを徹底するとよいでしよう。
この他に、「嚥下性肺炎」と言われる肺炎もあります。
これは、高齢者や手術後で食べ物や口腔内常在菌を誤って肺の方へのみこんでしまう場合に起こります。
★治療
基本は抗菌剤です。
・[病原菌が何であるか」によって効果を示す抗菌剤が違ってきます。
・効果が不十分な場合は薬を変更することもあります。
・細菌と細菌以外の病原微生物の病原菌が合併している時は、各々に効果ある抗菌剤が併用されることがあります。
その他 症状を和らげる解熱剤、去癖薬、鎮咳薬などが処方されることがあります。
肺炎はガンなどに隠れて目立たないのですが、日本人の死亡原因の第4位で、肺炎で死亡する人のほとんどは75歳以上の高齢者です。慢性疾病のある人は、肺炎が引き金となり、その疾病が悪化し亡くなることもあります。
肺炎球菌による肺炎の予防として「肺炎球菌ワクチン」があり
ます。これは、一度接種すると5年間は有効です。残念ながら日
本では現在のところ一生に一回しか受けられません。
肺炎は早期発見が重要です。
カゼやインフル工ンザにかかり、「治りが遅いな」と思ったら肺炎を疑い、受診することをおすすめします。
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