「肩こり」は、首の後ろから肩、背中の上半分くらいの筋肉の緊張が増して、不快感、違和感、痛みなどを感じる状態のことです。
肩こりの原因として一番多く見られるのは筋肉の疲労によるものです。
また、精神的ストレスや環境によっても起こります。
肩こりにもっとも深く関わる僧帽筋
僧帽筋は首筋から肩、背中にある肩甲骨の下までを広くおおっていて、重い頭を支え、腕を固定し、肩を動かすときに重要な働きをしている筋肉です。
首の付け根の辺りにこりを感じたとしても、実際は肩甲骨の下辺りまでこっていることもあります。肩こりを解消するには、こりを感じる部分だけでなく、僧帽筋全体の血行をよくすることが必要です。[もむ」「たたく」「回す」「ストレッチ」の中で、最も効果的な肩こり解消法は「回す」です。
肩を回す動きには、僧帽筋を伸ばすだけでなく、縮める動きも含まれます。広い範囲で筋肉が伸縮を繰り返し、血管が収縮・拡張するので僧帽筋全体の血行が良くなります。
肩こり解消のための体操
肩こりストレッチをちよっとした時間に取り入れ、肩こりの予防・解消に役立てましよう。
肩を回して、僧帽筋を動かし、肩こりを解消しましよう。
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首のストレッチ
首を左右交互にゆっくり倒してゆきます。
前後にも倒し、ゆっくり回しましょう。 |
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肩をまわす運動
ひじを曲げ、前から後ろへ肩をゆっくり回します。
同じようにして後ろから前へ回します。
ひじを上げた時、肩よりもひじが高くなるようにします。 |
肩こりの改善に
肩こりのもっとも大きな原因は悪い姿勢にあります。良い姿勢を保ち、正しく歩くことも改善へつながります。
また血行の流れを良くするためにかぼちゃ・アーモンド・ゴマなどに含まれる[ビ夕ミンE」やサバ・イワシ・アジなどの青魚に豊富な「EPA DHA」などを摂ることも良いでしょう。
薬物療法
症状が強い時には薬で治療する場合もあります。
痛みが強い時には「消炎鎮痛薬」の内服薬や外用薬が使われ、筋肉のこわばりが強いときには「筋弛緩剤」が使われます。
その他では筋肉の疲労回復にビ夕ミンB1、B6、血行を良くするビ夕ミンE 、神経機能を回復するビ夕ミンB12 、また漢方薬では葛根湯なども使われます。
外用薬では、一般に急性の肩こりには冷感タイプの湿布、慢性には温感夕イプの湿布が使われます。慢性の場合は僧帽筋を覆うように温感タイプの湿布を使うと血行が良くなり有効です。
肩こりを感じたら、体を動かし、冷えやストレスを改善して、解消に努めましよう。そして生活を見直し、十分な睡眠や栄養バランスの良い食事などで生活を整え、体の機能改善を図りましよう。
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