胃の中で食べ物を消化するとき、胃酸の働きは重要です。胃酸がなければ、食べ物を消化できません。
胃酸はpH1の強酸です。何らかの原因で、胃酸がひんぱんに食道へ逆流するようになると、食道の粘膜に慢性の炎症が起こるようになります。これが逆流性食道炎という病気です。
代表的な症状は胸やけ、呑酸(すっぱい胃液がのどや口までこみあげてくる)、ノドがつかえるといったものです。このような症状がたびたび起こるようなら、逆流性食道炎という病気の疑いがあります。
再発をくり返すことの多い病気ですが、生活習慣の改善と適正な治療薬の服用で症状をコントロールすることが可能です。
原因は
食道への逆流を防ぐ機能がうまく働かないため起こります。
・食道と胃のつなぎ目の筋肉の締まりがわるくなっている。
・食道の食べ物を下へ下へと送る働きが弱くなっている。
また前かがみの姿勢、妊娠、太り過ぎは腹圧で胃を圧迫し、逆流を起こしやすくなります。
治療は
薬物療法が中心です。
酸の分泌を抑える薬
プロトンポンプ阻害薬・H2ブロッカー |
一週間ほど服用すれば自覚症状はなくなりますが、食道の炎症が完全によくなるには8週間くらいかかります。 |
必要に応じて |
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食道の粘膜を保護する薬 |
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酸を中和する薬 |
効果は30分程度 |
消化管連動機能を改善する薬 |
食道や胃の動きを回復させる |
が処方されます。
症状が良くなったからといって勝手に服用をやめてしまわず、医師の指示通り続け、しっかり治すことが大切です。 |
日常生活注意事項
■食生活の改善
・大食をさける・ゆっくり、よく噛んで食べる
・刺激の強いもの・お酒・たばこ・脂肪分の多い食事は控える。
<控えたい食事>
強い香辛料、天ぷら、フライ、たまねぎ、かぼちゃ、さつまいも、トマト、柑橘類、甘味和洋菓子、炭酸飲料、コーヒーなど
■胃を圧迫する無理な姿勢はできるだけ続けない
■べルトやコルセットでお腹をしめつけない
■寝るときは胃酸が上がらないよう上体を高くして休む。
■食後は胃酸が多量に分泌されているため、すぐに横にならす寝る前2時間はものを食べないする。
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