食事や水分の摂取が少なかったり、多量の発汗・嘔吐・下痢は体内の水分不足「脱水」になる恐れがあります。予防・対策が大切です。
脱水になると
体の「水分」は体重の半分から3分の2を占めています。
体は細胞・細胞周囲・血液に水を移動させて、水分を一定に保つことで、正常に機能しています。摂取する水分と失う水分のバランスがくずれ、体重の3%以上を越えて水分が失われると、のどが渇く・皮膚が弾力を失う・尿量が減る・頭痛・めまい・頻脈などの症状が現れ、9%を超えると意識障害など生命に危険が出てきます。
高齢者は
のどの渇きを感じる機能が低下しており、体の水分保持量も少ないので、こまめに水分補給が必要です。
多量の発汗・嘔吐・下痢による脱水は
水分のみならず、汗や消化管に含まれる電解質(Ncal=塩分 K=力リウム)も多量に失うことになります。体は体液の濃度(電解質濃度)などを一定に保つことを第一優先にします。電解質の補給も必要となります。
市販のスポーツドリンクは汗に近い成分で、激しい運動で失われた電解質も補うように調整されているので、軽い脱水状態や予防に使用できます。しかし、嘔吐や下痢がひどい時は、スポーツドリンクでは、電解質が足りません。体液に近い飲料である経口補水液(ORS)が適しています。弱った体に負担をかけないように、少しずつ、ゆっくり飲んでいきます。
「経口補水液」
数種類の電解質とブドウ糖などがバランス良く含まれています。適度なブドウ糖は重要な電解質であるナトリウムの吸収を早めます。
緊急時、手元にないときは、次のようにして作ることができます。
ホームメイドの経口補水液
(1)3gの塩
(2)40gの砂糖
(3)1リットルの水
以上を混合する。
あればグレープフルーツなどの果汁を加えるとよい。
※成分が調整され味と香りも良い市販された経口補水液と比べ、効果は多少劣る。 |
*経口補水液は心臓や腎臓に負担をかけることがあるため、心不全・腎不全のある人・ナトリウム・力リウムの摂取制限を受けている人は、お医者さんに相談してください。
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